ラヴェル:ボレロ 他,プロコ:ロメジュリ第2組曲 / 自作指揮集 (外PHILIPS)
曲目・演奏者
●[1] ラヴェル:「ボレロ」
[2] 同 :マダガスカル島民の歌
[3] プロコフィエフ:「ロメオとジュリエット」組曲第2番 Op.64
■[1,2]モーリス・ラヴェル(指揮, [2]p) [1]コンセール・ラムルーo [2]マドレーヌ・グレイ(S) 他
[3]セルゲイ・プロコフィエフ指揮 モスクワpo
ディスク・データ
CD//海外盤 {MONO/ADD} PHILIPS*420 778-2
発売:88年/録音:[1]1928, [2]32, [3]38年/収録時間:58分
△レジェンダリー クラシックス・シリーズ △ノーノイズ・リマスター △[2]歌詞掲載なし
△ディスク中心部の刻印=MADE IN W. GERMANY BY PDO
コンディション
◇ディスク:B-〜C+/ スリキズ多し(縦方向直線状中心 / 横方向の強め含む)*全曲の動作確認済 / レーベル面にスリキズ少しあり
◇ブックレット:B+/ シワ・小キズ少しあり 白地部分に変色あり(軽め) 裏表紙に薄汚れ少しあり
◇プラケース:A-〜B+
録音データ・その他
☆[1]1928, [2]1932年 以上パリ, [3]1938年 モスクワにおける録音。
−大作曲家ふたりの指揮録音をあわせたもの。いずれも平盤ディスクに直接 録音されたものです。ディスクに印刷にされた丸Pマークからすると [1,2]POLYDOR FRANCE、[3]MEZH-KNIGA原盤でしょうか。−[1]は8'20あたり、ディスク面の切り替え部分の音の変わりように戸惑いますが、ラヴェルの考え方がいろいろと面白く、特にトロンボーン・ソロの崩した吹かせ方、あるいは不気味なソプラノ・サクソフォーンが大変 特徴的です。それについては下記参照ください。[2]は「ラヴェルのピアノと指揮」と記載されるのみで、fl, vcの奏者記載なし (日本語解説ではラヴェル指揮 合奏団と記載)。しぜんな発声、美しくも力強いグレイの歌が素晴らしい。第2曲「おおい!」の迫真。音質も良好で、現代の演奏と比較することが可能な録音ではないでしょうか。なおラヴェルの指揮録音はこのふたつの他に「序奏とアレグロ」とピアノ協奏曲(ロンのピアノ)があるのみです。−一方 プロコフィエフは自作のピアノ演奏は多く残していますが、指揮の録音はサントラ以外では[3]が唯一とのこと。バレエが初演された1938年の録音です。
−もとは1988年発売の国内盤 25CD-901 であったもので、6ページの日本語解説書が附いています (シワあり)。岡俊夫氏のライナーノートは SP時代のレコード事情がうかがえる興味深いもの。欧文では [1]1932年、[2]1928年と書かれているが、逆ではないかと提起されています。
☆以下、以前やっていたブログより。2007年4月に書いたものです。−私は祖父が買い集めていたSPレコードを譲り受け、現在も手元に持っていますが、そのなかにラヴェル自作自演、ラムルーoとの「ボレロ」があります。これをはじめて聞いたときはビックリしました。トロンボーン・ソロの部分4箇所でグリッサンドがかけられ、ジャジーな雰囲気を出しているのです。そのことについての事情が「レコ芸」5月号に書かれていまして、わたしはおととい「ハー、なるほど〜〜!」と感激しながら読みました。−ラヴェル自作自演録音でトロンボーンを担当したのは、アンドレ・ラフォッセという人物なのだそうです。彼が楽譜通り吹いていると、指揮をとるラヴェルに「もっとジャズっぽく吹いてくれ」と要求されました。ジャズの心得がなかったラフォッセは、4箇所のグリッサンドでその要求に応え、その結果 あのような録音が残されたというのです。しかしそのトロンボーン演奏、ラヴェルの理想ではなかったようです。といいますのもラヴェルはレオ・ア−ナウドというトロンボーン奏者に全幅の信頼を置いていて、彼の演奏が理想であったというのです。1924年 ラヴェルはパリのナイトクラブでアーナウドの演奏に出会い ほれ込みました。それからというもの ラヴェルはこの若いトロンボーン奏者を自宅に招き、4年もの間この楽器について学んだのだそうです。ちょうどその頃作曲された「ボレロ」のソロでもアーナウドに意見を求めていたとのこと。そしてその初演時 (1928年) のトロンボーンも当然ながらというべきか、アーナウドが担当しました。しかしその後すぐにアーナウドはアメリカに居を移してしまいました。ラヴェルは録音時、ラフォッセに「アーナウドのように吹いてくれ」とも言っていたそうです。ラフォッセにすればいい迷惑ですね。それにしてももし録音時 アーナウドがまだフランスにいたらラヴェルは彼を起用したのでしょう。もしそうなら、それが録音として残っていたなら、と今さら思っても仕方ないことを考えずにはいられません。−ちなみに佐伯茂樹とおっしゃる方によって書かれた その「レコ芸」記事、さらにはサクソフォーン・ソロについての興味深い話が続いています。
−このブログ記事を掲載した数日後 佐伯氏ご本人からコメントをいただき、驚きました。以前 レコ芸で「吹奏楽 他」の月評を担当されていましたが、2019年8月、58歳の若さで亡くなられたようです。驚きです…。お悔やみ申し上げます。
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