ブリス：色彩交響曲，ゴーバルズの奇跡 他　グローヴズ＝RPO, ベルグルンド＝Boun 他 （CDM769388）

曲目・演奏者

●ブリス：
[1] エディンバラ序曲
[2]「ゴーバルズの奇跡」バレエ音楽からの組曲
〔1. 序曲，2. ストリート，3. 少女の自殺，4. 若い恋人たち，5. 自殺者の死体を見つける，6. 死体を運び入れる，7. 見知らぬ人，8. 救出の踊り，9. 間奏曲，10. 見知らぬ人の殺害〕
[3] 色彩交響曲 (カラー シンフォニー) Op.24

■[1]ヴァーノン・ハンドリー指揮 バーミンガム市響　[2]パーヴォ・ベルグルンド指揮 ボーンマスso
[3]チャールズ・グローヴズ指揮 ロイヤルpo

ディスク・データ

CD//海外盤 {ADD} EMI＊CDM 7 69388 2
　発売：88年／録音：[2,3]1976, [1]79年／収録時間：69分
△EMI STUDIO シリーズ　△ディスク＝Made in the UK　△プラケース＝ハード・タイプ

コンディション

◇ディスク：B+/ スリキズ部分的にあり(強め含む・小さめ＊動作確認済)
◇ブックレット：A-/ 裏表紙角に小シワあり 白地部分に変色あり(軽め)
◇プラケース：A-〜B+　◇バック・インレイ白地部分に軽い変色あり

録音データ・その他

☆[1]1979. 8 バーミンガム ユニヴァーシティ・大ホール，[2]1976. 6 サウスハントン・ギルド ホール，[3]1976. 9 ロンドン・アビー ロード第1スタジオにおける録音。(P) [1]ベアトリクス・マスカー, [2]デイヴィッド・モットリー, [3]ジョン・ウィラン、(E) ステュアート。エルサム。
−アーサー・ブリスはイギリスの作曲家 (1891-1975)。父はイギリス人、母はアメリカ人。ケンブリッジ大学で音楽学を学んだ後、ロンドン王立音楽院でスタンフォード、ヴォーン=ウィリアムズ、ホルストらに師事。初期にはストラヴィンスキーとドビュッシーの影響を受けましたが、その後 親交を持ったエルガーの影響も受け、さまざまなスタイルの作品を書きました。1930年代には映画「来るべき世界」の音楽やバレエ音楽「チェックメイト」などの代表作を作曲。しかし戦後は望んだような成功が得られませんでした。一方 第二次大戦中に英国放送協会の音楽監督に就任。1953年にはバックスの後任として王室音楽監督 (女王の音楽師範) に任命されました。
−[1]は1956年作曲。エディンバラ音楽祭のために作曲したもの。−[2]は1944年作曲のバレエ。1940年代 グラスゴーのゴーバルズ地区にあるスラム街を舞台とする血なまぐさいストーリー。ロイヤル バレエの定番となり、1944 年から50年まで毎シーズン上演され、さらに1958年 復活上演されました。15曲からなり 7曲の組曲もあるようですが、ここでは10曲を演奏しています。
−[3]「色彩交響曲」は若き日 (1921-22年) 恩師 ヴォーン・ウィリアムズの監修の下で作曲されたものとはえ 代表作のひとつ。 グロスター スリー クワイアーズ フェスティヴァルへの出展作品として作曲されました。ブリスはたまたま紋章学に関する本を読んで 色には象徴的な意味があるということを知り、色についての交響曲を書くことを思いついたとのことです。4つの楽章でそれぞれ 紫, 赤, 青, 緑を扱いますが、色を音楽で表すわけではなく その「性格」を描いています。不協和音を巧妙に使いながらも流麗で、親しみやすい作品です。−第1楽章: アンダンテ マエストーゾ。紫色。アメジストの色。壮麗さ・高貴さ・死の色。穏やかながらも堂々たる荘厳な音楽。−第2楽章: アレグロ ヴィヴァーチェ。赤色。ルビーの色。葡萄酒・酒宴・かまど・勇気・魔術の色。輝かしいスケルツォ楽章。−第3楽章: 穏やかに流れるように。青色。サファイアの色。深い水・空・忠義・メランコリーの色。桟橋や停泊中の小舟にぶつかるさざ波を描いているとのこと。−第4楽章: モデラート。緑色。エメラルドの色。希望・青春・幸福・春・勝利の色。弦楽器と木管楽器による二重フーガが動的にコミカルに発展、その後 クライマックスを築きます。この終楽章は「ピュアネプシオン月」と題されて単独で出版されているとのことですが、この曲の白眉でしょう。−なお1932年 前半2楽章のコーダを改訂しています。