黛敏郎:舞楽,曼荼羅交響曲 他 湯浅卓雄=NZSO (NAXOS)未開封

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商品番号:8557693J

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曲目・演奏者

●黛敏郎:
[1] シンフォニック ムード (1950)
[2]「舞楽」(バレエ音楽) (1962)
[3] 曼荼羅交響曲 (1960)
[4] ルンバ・ラプソディ (1948)

■湯浅卓雄 指揮 ニュー ジーランドso

ディスク・データ

CD// 国内仕様盤 {DDD} IVY−ナクソス*8.557693J
 発売:05年/録音:2004年/収録時間:68分
△海外盤に長オビを附したもの △日本語ライナーノート掲載 △ライナーノート:片山杜秀

コンディション

◆未開封品

録音データ・その他

☆2004. 8 ニュー ジーランド・ウェリントン・マイケル・フォウラー センターにおける録音。
−[2]はニューヨーク シティ バレエの委嘱によって書かれた曲。1963年 かのジョージ・バランシン、ロバート・アーヴィングの指揮で初演されました。ハープ、ピアノ、ティンパニ、4人の打楽器奏者を伴う3管編成。この曲、もちろん雅楽の楽器を模したり、いかにもそれらしい楽句があるものの、雅さよりも むしろかなり野卑な感じが勝っています。これについてライナーの片山氏は、当時の黛は ストラヴィンスキー、ヴァレーズ、メシアンの技法を取り込みながら、日本の伝統の奥底に眠るプレロマスな響きを再現することを夢見ていた。高貴で洗練された舞楽よりもアジア各地の音楽を雑居させた粗野な、奈良朝の頃の舞楽の原型を想像させる と書いています (“プレロマス” とは 古代ローマ時代以前、原始的という意味でしょうか)。−音楽は2部からなり、第1部は 中国から伝来した荘重なテンポと華麗な響きを持つ「左舞」的な要素を有し、第2部は朝鮮から伝来した おどけたテンポと鄙びた響きを持つ「右舞」的な要素を有するとのこと。当演奏では 14分+9分。
−第1部の開始は ヴァイオリン・ソロのスル ポンティチェッロ (音のずりあげ) による密やかで また不気味な開始。その後 ノン・ヴィヴラートの弦楽器群による、笙(しょう)、篳篥(ひちりき) の響きを模した 混沌たるカノン。それは徐々にクレッシェンドしていくのですが、夜明けを思わせます。さらに音楽は盛り上がって行き、5分前になって ホルンとトロンボーンがいかにも日本という感じのおおらかな主題を奏します。まさに日の出の明るさ。そして その音形に乗って、ピアノと鍵盤打楽器による華麗なオブリガート。舞の始まりです。いかにも華麗で色彩的で、舞人の派手できらびやかな衣装が目に浮かぶよう。片山氏はメシアンの鳥のさえずりからの影響を指摘しています。その後 トロンボーンの野卑な響きから、それこそ雅とはかけ離れた重厚で逞しい響きによって 力強い踊りが続きます。愉快痛快。その後 カノンが再起して静かになり、スル ポンティチェッロが現われ、舞人は舞台を去って行きます。最後 琵琶の静かな爪弾き。ここも素敵。しかし何の楽器で琵琶を模しているのでしょうか。
−リズミックな曲「蘭陵王」をベースに作曲されているという第2部も面白い。「トントン・トトト」というリズムの太鼓連打は原始的な感じがし、また「春の祭典」を思わせます。その最後に現われる ピッコロによる祭囃子のようなおどけた感じのフレーズ。大変印象的ですが、私はジーン・ケリーとフランク・シナトラ主演のミュージカル映画「私を野球に連れてって」のテーマ曲を思い出したりします。その後 まさに雅楽の合奏そのものという感じの部分。「蘭陵王」の動機によるカノン風変奏となるのですが、かなり暴力的に高潮します。ここも「春の祭典」を思い出さずにいられない部分ですが、さらに5分過ぎ、弦楽の8分音符のユニゾンもまさに「ハルサイ」。ホルンなどによる野卑な盛り上がりは 最後 ピッコロの「野球に連れてって」で終結。その後 ホルンとトロンボーンのおおらかな主題、ピアノと鍵盤打楽器による華麗なオブリガートが再帰。力強く曲を終えます。−2部からなるバレエ音楽というのも「春の祭典」と同様。黛がこの曲の作曲にあたって「春の祭典」を意識していたことは間違いないのではないでしょうか。また このディスクには「舞楽」の2年前に書かれた曼荼羅交響曲が「舞楽」の次に収録されていますが、これにも「春の祭典」を思わせる部分があります。

商品番号:8557693J

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