モーツァルト:ピアノ・ソナタ集 (第4, 5集) ラローチャ(p) (RCA・バラ2枚セット)
曲目・演奏者
●モーツァルト:
{1} 09026-60453-2
[1] ピアノ・ソナタ ハ長調 K.279 (第1番)
[2] 幻想曲ニ短調 K.397
[3] ピアノ・ソナタ ヘ長調 K.280 (第2番)
[4] ロンドニ短調 K.485
[5] 幻想曲ハ短調 K.475
[6] ピアノ・ソナタ ハ短調 K.457 (第14番) §
{2} 09026-60454-2
[7] ピアノ・ソナタ ヘ長調 K.533+494 (第18番 / 新全集: 第15番)
[8] 同 変ロ長調 K.570 (第16番 / 新全集: 第17番)
[9] 同 ニ長調K .576 (第17番 / 新全集: 第18番)
[10] ロンド イ短調 K.511
■アリシア・デ ラローチャ(p)
ディスク・データ
CD// 海外盤 {DDD} RCA (BMG)*09026-60453-2,09026-60454-2 <バラ2枚セット>
発売:92, 96年/録音:19年/収録時間:74分 / 67分
△ラローチャ / モーツァルト:ピアノソナタ全集第4集, 第5集
△ディスク=Made in {1}USA, {2}the EC
コンディション
◇ディスク:{1} B+〜B/ スリキズ部分的にあり(小さめ / 横方向, 強め少し含む*動作確認済),{2} A-〜B+/ 細かいスリキズ部分的にあり
◇ブックレット:{1} A-〜B+/ シワ少しあり(強め含む) / 内部白地部分に変色あり(軽め),{2} B+/ シワ部分的にあり(強め含む) / 内部白地部分に変色あり(軽め)
◇プラケース:2枚)B+ ◇{2} バック・インレイ右側にシワあり(強め)
録音データ・その他
☆
☆[1-6]1990. 8,[17,8]1990. 11, [9,10]1991. 3 以上 NY・BMGスタジオAにおける録音。(P) デイヴィッド・フロスト、(E) [1-6]トム・ラザラス,[7-10]ルイス・デ ラ フエンテ 他2名。
−ラローチャが1989〜91年で完成させたモーツァルト:ソナタ全集 (+幻想曲, ロンド各2曲) の第4集,第5集。−ラローチャ67歳時、円熟の演奏。快刀乱麻、冴えたセンスでモーツァルトをさばくのではなく、おおらかで自然体。極端な表現を避け、虚心坦懐、モーツァルトの音楽に語らせています。決して「面白い」演奏ではありませんが、モーツァルトへの愛情、献身を感じるもの。若書きの[1]など聞いていて気を抜いてしまいがちですが、第2楽章をラローチャが丁寧に扱い 愛情をこめて演奏しているのを聞いて、気づかなかった美に目を覚まされました。半音階的に上昇する音型の面白さ (意味深さ) もさることながら、特に短い展開部の表情の変化の美しさに驚き。さすがモーツァルト、さすがラローチャです。となると[3]もじっくり聞いてしまう。第2楽章は開始の主題がピアノ協奏曲第23番の第2楽章を思わせることは知られていますが、その部分の作りの見事さ、第2主題の民謡風の哀愁のメロディの美しさ、そして第1主題による展開部、第2主題による再現部 (あるいはほかの見方もできるでしょう) の意匠の見事さに感心。このふたつの第2楽章はその後のソナタのいくつかの第2楽章よりも素晴らしいことに気づかされました。このアルバムの変わった選曲は、単に初期のソナタだけまとめると売れないということなのかもしれませんが、曲の並びもあって、初期作品にもモーツァルトの天才が込められていることを気づかせてくれるという効果がありそうです。
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