Rコルサコフ：モーツァルトとサリエリ 他　トゥロフスキ＝IMM； ボガチョフ(T) ストロイェフ(Bs) （CHAN9149）

曲目・演奏者

●[1] リムスキー- コルサコフ：｢モーツァルトとサリエリ」Op.48 全曲

●歌曲集 (ウラディーミル・ミルマンによる管弦楽伴奏編)
[2] R- コルサコフ：｢流れたなびく雲が切れ切れになって」Op.42-3
[3]　同 ：｢ジョージアの丘の上で」Op.3-3
[4] グリンカ：｢あの愛しい瞬間を思い起こす｣，[5]　同 ：｢夜のロマンス」
[6]　同 ：婚礼の歌， [7]　同 ：｢ぼくはここだよ イネジリヤ」
[8]　同 ：｢あなたと一緒ならどんなにすばらしいことか」
[9]　同 ：｢欲望の炎は血の中で燃え上がる｣， [10]　同 ：｢傷つくなんて言わ　ないで」
[11]　同 ：｢モリ―へ｣， [12]　同 ：｢告白｣， [13]　同 ：｢疑い」

■[1-7]ウラディーミル・ボガチョフ(T：[1]モーツァルト)　[1,8-13]ニキータ・ストロイェフ(Bs：[1]サリエリ)
　[1-13]ユーリ・トゥロフスキー指揮 イ ムジチ ドゥ モントリオール　[1] 同cho　マルク- アンドレ・アムラン(p)

ディスク・データ

CD// 海外盤 {DDD} CHANDOS＊CHAN 9149
　発売：93年／録音：1992年／収録時間：79分
△露語詞・英独仏訳掲載　△ディスク＝Made in Germany

コンディション

◇ディスク：A-〜B+/ 小スリキズ部分的にあり(強め含む＊動作確認済)
◇ブックレット：A-〜B+/ ジャケ面小口側端にツメ咬み痕あり(強め部分含む) / 白地部分に軽い変色あり
◇プラケース：B　◇バック・インレイにシワ少しあり, 白地部分に軽い変色あり

録音データ・その他

☆1992. 5 ケベック州・聖母マリア生誕教会における録音。(P, E) ラルフ・カズンズ。
−アレクサンドル・プーシキンが書いた「小悲劇」中の同名の戯曲にもとづく1幕2場からなる短編オペラ。ロシア語。1897年作曲、翌年初演。通常のR- コルサコフのオペラと異なり、18世紀の音楽を意識した小規模な楽器編成とスタイルによっています。−ストーリーはモーツァルトはサリエリの弟子という設定。第1場: モーツァルトの天才への嫉妬に苦悶するサリエリ。モーツァルトがやってきて新しく思いついた音楽を聞かせる。サリエリはモーツァルトを賛美し、食事の約束。そこでモーツァルトの毒殺を決意する。第2場: 飲み屋で食事をするモーツァルトとサリエリ。モーツァルトはレクィエムの作曲を依頼しに来た黒い服の男のことが頭から離れないと話す。サリエリはモーツァルトの杯に毒を入れる。モーツァルトはピアノでレクィエムを弾き、サリエリは涙を流す。モーツァルトは気分が悪いと言って帰り、ひとりになったサリエリは天才と悪について考える。
−曲も短く、登場人物はふたり (と黙役: 盲目の老ヴァイオリン弾き)。またダルゴムイシスキーに影響された「アリオーゾ＝レチタティーヴォ」形式を用いていることもあり、派手さやドラマティックさはなく、サリエリの思索的な苦悩に重きを置いた「音楽ドラマ」という感じ。しかし第1場 盲目のヴァイオリン弾きがヘタクソに「ドン ジョヴァンニ」の「ぶってよマゼット」を弾く場面があったり、第2場クライマックスで「レクィエム」のイントロイトゥスがピアノと管弦楽、合唱で演奏されるなど、面白いサービスがついています。さらに第1場の終盤に、モーツァルトが新しく思いついた曲としてピアノ演奏 (ほかの楽器も入り) する場面があるのですが、これはR- コルサコフがモーツァルト風に作曲したものです。また第1場と第2場の間に置かれた擬古典的で 悲劇的な曲想を持つ小フーガによる間奏曲も聞きもの。他にもサリエリの「タラール｣、ダルコムイシスキーの「石の客」(ドン ファン伝説によるオペラ) からの引用もあるとのこと。
−演奏も満足すべきもの。ふたりの歌手も好演です。レクィエムのピアノはアムランが担当するというなんとも贅沢なオマケが。ジャケット写真は映画「アマデウス」の一場面。映画ではモーツァルトとサリエリは英語をしゃべっていましたが、当オペラではロシア語。サリエリ役のストロイェフはいかにもロシアのバスです。−なお「オペラ対訳プロジェクト」というサイトにこのオペラの歌詞対訳が掲載されています。