テレマン:水の音楽,協奏曲「蛙」,アルスター序曲 ピケット=NLC (DECCA)
曲目・演奏者
●テレマン:
[1] 管弦楽組曲 (序曲) ハ長調「水の音楽 (ハンブルクの潮の満干)」
〔1. 序曲,2. 眠るティーティス (サラバンド),3. 目覚めるティーティス (ブレー),4. 恋に堕ちたネプチューン (ルール),5. 踊る泉の精霊たち (ガヴォット),6. 戯れるトリトン (ハーレクィナーデ),7. 吹きすさぶ風,8. 心地よいゼフィール (メヌエット),9. 潮の満干 (ジグ),10. 愉快な舟人たち (カナリー)〕
[2] 協奏曲イ長調「蛙」
[3] 管弦楽組曲 (序曲) ヘ長調「アルスター序曲」
〔1. 序曲,2. 祝砲を打ち鳴らすパラス,3. アルスターのエコー,4. ハンブルクのグロッケンシュピール,5. 白鳥の歌,6. アルスターの羊飼いの音楽,7. 合奏する蛙と鳥,8. まどろむパン神,9. 羊飼いとニンフたちの荒々しい旅立ち〕
■フィリップ・ピケット指揮 ニュー ロンドン コンソート [2]パヴロ・ベスノシウク(vn) [3]アンドルー・クラーク(hrn) (古楽器使用)
ディスク・データ
CD// 海外盤 {DDD} DECCA*455 621-2
発売:98年/録音:1996年/収録時間:73分
△ディスク中心部の刻印=MADE IN GERMANY BY PMDC
コンディション
◇ディスク:B+/ スリキズ少しあり(小さめ / 横方向*動作確認済) // レーベル面にスリキズ少しあり
◇ブックレット:B+/ シワ部分的にあり(強め含む) / 内部白地部分に軽い変色あり
◇プラケース:B+
録音データ・その他
☆1996. 10 ロンドン・ウォルサムストウ タウン ホールにおける録音。(P) クリストファー・ポープ、(E) フィリップ・サイニー。
−☆[1]は1723年のハンブルク海軍の創立100周年祭のために書かれたもの。テレマンの「水上の音楽」、あるいは管弦楽組曲として有名。ギリシャ神話を題材に採った題名が付けられた10曲からなります。なんと言っても “海の凪と幸運な航海” を思わせる充実の序曲が素晴らしく、その後の描写性を含む音楽も楽しい。特にまるで “ルスティカ” な舞曲を思わせる第6曲以降。強風の描写、その後の心地よい西風をリコーダーが表わし、そして潮の満干の描写と続きます。−[3]の「アルスター」はエルベ川の支流をせき止めてできた湖。現在でもハンブルク市民の憩いの場とのことです。[1]同様 ギリシャ神話と自然描写が絡められており、またさまざまな音響効果による面白さがあります。特に印象的なのが第7曲: 合奏する蛙と鳥 で冗談音楽の域。笑わせてくれます。
−[2]は「カエル」と名付けられた3楽章の協奏曲。確かに第1, 2楽章で、カエルの合唱が弦楽のエコー効果によって巧みに表現されています。トリッキー、諧謔的ではなく、あくまで音楽的な手法によるものでお見事。なおドイツ語で「カエル」というとシュトラウスの「こうもり」の登場人物「フロッシュ (Frosch)」が思い浮かびますが、「Relinge」もカエルなのかと思って違いを調べようと思いましたが「Relinge」自体が出てきませんでした。どういうことでしょう。
−演奏は[1]の冒頭から柔らかな響きに驚かされます。アクセントを強調した快速テンポのスリリングな演奏とは正反対。落ち着いたテンポで品があり、残響を取り入れた音響はムーディー。諧謔的要素を大袈裟に強調することはありませんが、[3]の「合奏する蛙と鳥」ではしっかりと笑わせてくれます。
−オケ・メンバー表、使用楽器掲載。vn4, va, vc, cb, fl2, S-bfl, A-bfl, ob2, fg2, hrn4, アーチリュート2, cemb2, 室内org。ピッチ: a' =415Hz。
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