▽ワーグナー：マイスタージンガー (英語版)　グッドオール＝SWOO； ベイリー(Bs) 他 （CHAN3148・4CD）

曲目・演奏者

●ワーグナー：
「ニュルンベルクのマイスタージンガー」全曲 (英語版)

■ノーマン・ベイリー(Bs：ザックス)　アルバート・レメディオス(T：ヴァルター)　マーガレット・カーフィー(S：エーファ)　グレゴリー・デンプシー(T：ダーフィット)　デレク・ハモンド・ストラウド(Bs：ベックメッサー)　アン・ロブソン(MS：マグダレーネ)　ノエル・マンジン(Bs：ポークナー) 他
　レジナルド・グッドオール指揮 サドラーズ・ウェルズ・オペラo　同cho

ディスク・データ

CD// 海外盤 {AAD} CHANDOS＊CHAN 3148(4) (4枚組)
　発売：96年／録音：1968年LIVE／収録時間：75+80+77+61分
△紙箱付き (▽厚さ3.2センチ)　△大判ブックレット付き(159ページ)　△英語詞掲載
△ディスク＝Made in the EU

コンディション

◇ディスク：1)A-〜B+/ 小スリキズ部分的にあり / 内縁にスリキズあり，2)A-/ 細かいスリキズ少しあり，3)B+/ 小スリキズ部分的にあり(強め含む)，4)B+/ スリキズ少しあり(強め＊動作確認済)
◇ブックレット：B-/ 表紙両面に強いシワあり, 内部にも少しあり / 薄汚れ部分的にあり(小口側上部付近) / 内部白地部分に変色あり(軽め) / 独特に匂いあり(甘い感じのある)
◇プラケース：B　◇紙箱：B〜B-/ 部分的に傷みあり / 線キズあり / 薄汚れ少しあり

録音データ・その他

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☆1968. 2. 10 サドラーズ ウェールズ・ローズベリー アヴェニュー劇場におけるライヴ録音。(EP) ラルフ・カズンズ。
−グッドオール (1901- 90) はイギリス出身の指揮者。1944年 イングリッシュ ナショナル オペラの前身であるロンドンのサドラーズ ウェルズ劇場でコレペティートル (練習指揮者, コーチ) として雇われましたが、翌年 ブリテンの「ピーター・グライムズ」の初演を作曲者自身の指名によって指揮者に抜擢。その大成功によって、翌年にはコヴェント・ガーデン王立歌劇場の音楽監督補佐指揮者として採用されました。しかし音楽監督との対立、あるいは聴衆やオーケストラ団員からの評価も低く、1949年 コレペティトールに降格。その後 わずかな指揮の機会しか与えられない不遇の時代を過ごしました。一部の音楽評論家やファンの間では根強い支持があったとのことですが、1961年 コヴェント・ガーデンの新たな音楽監督として就任したショルティも彼を遠ざけます (山崎浩太郎氏の「ショルティが恐れた男」を思い出します)。しかしこうした状況は1968年1月、サドラーズ・ウェルズ・オペラの英語版「マイスタージンガー」に起用され、それが大成功をおさめたことで一変し、晩年の栄光が始まりました。当録音はその時の公演のひとつというわけです。BBCの正規録音にしては音は芳しくないのは残念ですが、グッドオールの豊かな指揮が素晴らしい。スター指揮者のように派手な演奏ではありませんが、無理なドライヴのない豊かな歌心ある指揮で巨大な音楽をしっかりとまとめています。一方 録音の世界にも登場する世界的に活躍した歌手は主役のベイリーくらいですが、皆 素晴らしい。終演後の音楽が終わる前に起こる拍手がその成功を物語っているようです。−英語歌詞であることはほとんど気にならなかったのは意外でした。印象的な言葉、例えば “Fanget an!” が “Now begin!” になっていることなどには反応しますが、ほとんど気にならない。日本語訳とは違いますし、音楽と演奏が素晴らしい (録音がもっと良ければ言うことなしでしたが…)。ブックレット内に舞台写真が多く収められていることも嬉しいところです。
−ところで、簡単に経歴を書くとグッドオールは、実力がありながら不遇の時代を過ごさずを得なかった同情すべき指揮者という印象になりそうですが、彼の偏狭な性格が大いに災いしたようです。しかしいい音楽を作るには妥協を許さなかった芸術家肌であったことは間違いなさそうです。