偉大な女流ピアニストたち (ナイ, ヘス, ハスキル, ランドフスカ) (QUADROMANIA・4CD)※プラケースなし

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商品番号:222203

  • 通常価格:1,200円(内税)
  • 会員価格:1,140円(内税)【5%OFF】

曲目・演奏者

●[1] ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番 Op.73
[2] 同 :ピアノ・ソナタ第32番 Op.111 §
[3] ブラームス:ピアノ三重奏曲第1番 Op.8
[4] シューマン:「謝肉祭」Op.9 §
[5] バッハ:ピアノ協奏曲第5番 BWV.1056
[6-8] D. スカルラッティ:ソナタ 嬰ハ短調 K.247, 同 ハ長調 K.132, 同 変ホ長調 K.193
[9] モーツァルト:ピアノ協奏曲第19番 K.459 §
[10] バッハ:チェンバロ協奏曲第1番 BWV.1052
[11] 同 :フランス組曲第6番 BWV.817
[12] モーツァルト:ピアノ協奏曲第13番 K.415

■[1,2]エリー・ナイ(p) [1]カール・ベーム指揮 ウィーンpo
[3,4]マイラ・ヘス(p) [3]アイザック・スターン(vn) パブロ・カザルス(p)
[5-9]クララ・ハスキル(p) [5] P. カザルス指揮 プラド音楽祭o [9]ヘンリー・スウォボダ指揮 ヴィンタートゥーアso
[10-12]ワンダ・ランドフスカ(p) [10]ウジェーヌ・ビゴー指揮 弦楽ens [12]アルトゥール・ロジンスキ指揮 ニュー ヨークpo

ディスク・データ

CD// 海外盤 {MONO} QUADROMANIA (MEMBRAN)*222203 (4枚組)
 発売:04年/録音:1936〜52年; LIVE含む/収録時間:69+66+54+65分
△スリーブケース付き △ブックレットは二ツ折のリーフレット (ライナーノートなし)
△プラケースなし / ディスクはビニール製のものに入れ替え / リーフレット, バック・インレイ付き

コンディション

◇ディスク:1,2,4)B+/ スリキズ部分的にあり(少なめ / 小さめ / 強め含む*動作確認済),3)A-〜B+/ スリキズ少しあり(強め) / 外縁に小スリキズ少しあり
◇リーフレット:B+/ おもて面小口側端に強い小キズあり / 裏面シワ部分的にあり
◇バック・インレイにシワ少しあり(強め含む)
◇紙箱:B-/ 傷みあり

録音データ・その他

☆[1]1944,[2]1936,[3]1952,[4]1938,[5]1950,[6-8]1950,[9]1950,[10]1938,[11]1936,[12]1945年録音。セッションかライヴかの記載なし。[6-9]はWESTMINSTER録音でしょう。
−「QUADROMANIA」はMEMBRANのレーベル。特製薄型ケースにCD4枚を収納し、ライナーノートなしの省エネ廉価盤でした。当盤はその特殊プラケースのディスクホルダーのツメがほとんどなくなってしまっており、ディスクを安全に収納できないため、両面収納可能のビニール製ソフトケースに入れ替えたものとなります (3つ目の画像参照ください)。あらかじめご了承ください。−ヒストリカル音源を中心に CLASSICO、VOX、RPOなど様々な音源を使用。日本の市場を意識したのでしょう、カタカナで「クアドロマニア」と縦書きしているのがいかにもダサい と感じていたかたは少なくないでしょうが、ヴァラエティに富んだ内容の中にはオッと思わせるものが決して少なくありませんでした。当アルバムも4人の歴史的女流ピアニストの演奏を集めた興味深いもの。
−[1,2]のナイはドイツ人 (1882- 1968)。テオドール・レシェティツキーやエミール・フォン ザウアーにも薫陶を受けたとのこと。ベートーヴェン弾きとして名を馳せましたが、若い頃から反ユダヤ主義者で、ナチスがの政権を取ると その御用芸術家となったため、戦後は苦労し、名誉回復がかなったのは1952年だったとのことです。それから亡くなる数週間前までナイは再び演奏活動に没頭し、録音も多く残しました。
−[3,4]のヘスはイギリス人 (1890- 1965)。ロンドン生まれ、ユダヤ系。イギリスと北米で演奏活動を展開しました。第二次大戦中 ドイツ軍の空襲によってロンドンが破壊され、すべての演奏会場が閉鎖されると、ロンドンのナショナル・ギャラリーなどでランチタイム・コンサートを企画して、自ら演奏家として出演。この功績に対して 1941年にデイムの称号を授与されたとのことです。録音は戦前のSP録音中心で現在でも広く親しまれていると言い難いですが、バッハのカンタータからピアノ用に編曲した「主よ 人の望みの喜びよ」は現在も広く愛奏されています。−現代も名ピアニストとして人気のある[3]のハスキルは省略。
−[4]のランドフスカはポーランド出身 (1879- 1959)。ピアニストとしてデビュー後、21歳の時 ヘブライ民族の音楽の研究者だったアンリ・ルーと結婚。彼の影響でチェンバロに関心を持つようになり、1903年 (24歳時) チェンバリストとしてデビュー。チェンバロでのバッハ演奏のスペシャリストとして名を挙げることとなりました。 1925年 パリ郊外に古典音楽学校を開設し、バロック音楽に関する教育をおこないましたが、ナチス・ドイツのフランス占領を受けてアメリカに脱出。1941年にアメリカの市民権を取得し、アメリカに移住後も演奏活動を続けましたが、次第に演奏活動よりも録音活動に活動の重きを置きました。

−最後の[12]は私の最も愛する録音のひとつ。同コンビによる第22番とのカップリングのAS DISCのCDは大事な宝物ですが、クワドロマニアにこの愛すべき名演奏があったとは。その昔 ブログで書いたこの演奏についての部分を改訂して掲載しますと − 大月楽器店で働いていた頃 購入し、その粋で愉悦的な演奏に感動し、思わず後輩に電話をしてしまったほど。オケによる前奏が終わり ピアノ登場のところで いきなり驚かされます。主題の前に 10数秒もの即興的なカデンツァを弾いているのです。速めのテンポで小気味よく 楽しく遊ぶような雰囲気で、大変饒舌。それはまさにチェンバロを思わせる演奏。自在なアドリブ、華やかな装飾音 (凝ったトリルを弾いている)、しゃれた節回し。時にオクターヴ高い音を使い (自作カデンツァでも高音を多用)、また高音のグリッサンドにエコーをかけて 鐘のような、チェレスタのような可愛い響きを出してみたり。含蓄やスケール感ある演奏ではありませんが、創意と感興、あるいはロココ的な洒脱さに溢れており、この曲の天衣無縫で天国的な美を極端な形で表した、唯一無二の演奏です。第3楽章でもランドフスカは絶好調。即興の妙技はいよいよ冴え、すべてのアインガングの箇所で即興を弾いています。最初のロンドBのあとも違う曲を弾き出したのかと思うほど自由で長めなのですが、B再現のあとのカデンツァでは本当に長々と遊ぶ。Bをテーマとしたもので、多分にロマンティックでメランコリック。1分50秒ほどもあり、カデンツァの域を超え、7つの部分から出来ているこの曲に まるでもうひとつの部分を作ったたようです。−なお当アルバムには1945年録音と書かれていますが、AS DISCでは 1946. 10. 27 となっており、1945年は第22番でした。
−[10,11]もピアノ演奏と書かれているので期待しましたが、チェンバロ演奏でした。ランドフスカはチェンバロを現代に蘇らせた大功労者ですが、私はもっとピアノ演奏の録音を残してほしかったと残念に感じています。とはいえ [12]の粋な演奏はチェンバロ研究の成果という側面が大きいのは私のような素人にも明らかですが。

商品番号:222203

  • 通常価格:1,200円(内税)
  • 会員価格:1,140円(内税)【5%OFF】