Rシュトラウス:ナクソス島のアリアドネ Cクラウス /35年L (プロローグ: ベーム /44年L) (OPD9011・2CD)
曲目・演奏者
●R. シュトラウス:
「ナクソス島のアリアドネ」Op.60〔プロローグ: ベーム指揮,劇中劇: クラウス指揮〕
■ [劇中劇] ヴィオリカ・ウルズレアク(S:アリアドネ) ヘルゲ ・ ロスヴェンゲ(T:バッカス) エルナ ・ ベルガー(S:ツェルビネッタ) ミリツァ・コルユス(S:水の精) イロンカ・ホルンドナー(S:木霊) ゲルトルーデ・リュンガー(A:木の精) カール・ハンメス(Br:ハレルキン) エーリヒ・ツィンマーマン(T:ブリゲッラ) ベンノ・アルノルト(Br:スカラムッチョ) 他
クレメンス・クラウス指揮 ベルリン帝国放送局o 員
[プロローグ] マリア・ライニング(S:プリマドンナ) マックス・ローレンツ(T:テノール歌手) イルムガルト・ゼーフリート(S:作曲家) アルダ・ノーニ(S:ツェルビネッタ) パウル・シェフラー(Bs:音楽教師) 他
カール・ベーム指揮 ウィーン国立歌劇場o
ディスク・データ
CD// 海外盤 {MONO} OPERA D'ORO*OPD-9011 (2枚組)
発売:01年/録音:1935年, 44年/収録時間:60+57分
△スリムケース・タイプ △歌詞掲載なし
コンディション
◇ディスク:1)A-〜B+/ スリキズ少しあり(強め含む) / 内縁に線キズ少しあり // レーベル面に細かい薄汚れ少しあり,2)A-〜B+/ スリキズ少しあり(強め含む)*動作確認済
◇ブックレット:A-〜B+/ シワ, ツメ咬み痕あり(少なめ) / 内部白地部分に軽い変色あり
◇プラケース:B
録音データ・その他
☆1935. 6. 11 ベルリンにおける放送用ライヴ録音。[プロローグ]1944. 6. 11 ウィーン国立歌劇場におけるライヴ録音。
−劇中劇部分は シュトラウス71歳の誕生日を祝して公開放送されたもの。ナチス・ドイツの文化政策の成果を誇示するプロパガンダ放送で、ドイツ国内のみならず、広くヨーロッパで放送されたとのことです。幸いなことに戦禍をまぬかれ、なかなか美しい音質で聞くことができます。ただプロローグは演奏されなかったはずなのに、このCDにはプロローグがあるではありませんか。CDには何も書かれていない…。あちこち調べてみて、わかりました! プロローグは1944年 ベーム指揮 ウィーン国立歌劇場でのライヴ録音でした。劇中劇と同じ月日。そう、こちらはシュトラウス80歳の誕生日を祝う公演のライヴというわけです。第二次大戦中。オーストリアはドイツに併合されていました。ドイツの戦況は悪化の一途、国民は総力戦を強いられていたさなか。ウィーン国立歌劇場もこの年の6月30日、休業に追い込まれます。その前の最後の輝きがシュトラウス生誕80年を記念した一連のシュトラウス作品の上演で、「アリアドネ」のほか、「ばらの騎士」 「サロメ」 「影のない女」 「ダフネ」などが上演されたとのことです。
ークレメンス・クラウスの妻で、シュトラウスからの信頼も厚かったウルズレアクをはじめとした歌手陣の見事さにも驚くばかり。なんと素晴らしい。プロローグでのゼーフリートの軽い声にも驚かされますが、当時 ウィーン国立歌劇場デビューの翌年で、当時25歳になる前にあたるようです。またノーニのツェルビネッタが聞けるとは。彼女はイタリア人であるにもかかわらず、ツェルビネッタ役で人気を博したとのこと。調べてみますと、第二次大戦中の1942年から1946年まではウィーン国立歌劇場の専属歌手だったとのことです。この「アリアドネ」のツェルビネッタを歌う歌手を探していたベームに、クリップスから推挙されて出演し、絶大なる好評を得、手本的な歌唱と誉めそやされたとのことです。
ーCDにハイブリッド収録であることが書かれていないのはひどい話ですが、ともにシュトラウスの誕生日の上演というのがいい取り合わせ。しかもナチス・ドイツの絶好調時と、終焉の時期の録音であることも興味深い。ナチス時代の (表面上の) 栄華ののちに悲惨な戦争に翻弄された大作曲家や演奏家たちの姿が浮かび上がってきますが、同時に素晴らしい芸術の普遍性も感じます。
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