プッチーニ：三部作　セラフィン 他＝； ゴッビ(Br) ロス・アンヘレス(S) 他 （CMS764165・3CD）

曲目・演奏者

●プッチーニ：
[1]「外套」 §
[2]「修道女アンジェリカ」 §
[3]「ジャンニ・スキッキ」 各全曲

■[1]ティート・ゴッビ(Br：ミケーレ)　ジャチント・プランデッリ(T：ルイージ)　マルガレート・マス(S：ジョルジェッタ) 他
[2]ビクトリア・ロス アンヘレス(S：アンジェリカ)　フェドーラ・バルビエーリ(MS：公爵夫人) 他
[3]T. ゴッビ(Br：ジャンニ)　V. ロス アンヘレス(S：ラウレッタ)　カルロ・デル モンテ(T：リヌッチョ)　アンナ・マリア・カナーリ(A：ツィータ)　パオロ・モンタルソロ(Bs：シモーネ) 他
　[1]ヴィンチェンツォ・ベレッツァ，[2]トゥリオ・セラフィン，[3]ガブリエーレ・サンティーニ指揮　[1-3]ローマ歌劇場o　[1,2] 同cho

ディスク・データ

CD// 海外盤 {MONO, STE/ ADD} EMI＊CMS 7 64165 2 (3枚組)
　発売：92年／録音：[1]1955, [2]57, [3]58年／収録時間：51+56+53分
△伊語詞・英訳掲載　△ディスク＝Made in Germany / SONOPRESS刻印あり

コンディション

◇ディスク：1)A-〜B+/ スリキズ少しあり，2)A-/ 小キズ少しあり // レーベル面に細かい薄汚れ少しあり，3)B+〜B/ スリキズ少しあり(強め含む＊動作確認済)
◇ブックレット：A-〜B+/ 裏表紙にシワあり, その他部分にも少しあり / 白地部分に変色あり(軽め)
◇プラケース：B+〜B　◇バック・インレイ白色部分に軽い変色あり

録音データ・その他

☆[1]1955. 10，[2]1957. 6，[3]1958. 7 以上ローマ歌劇場における録音。(P) [1]デイヴィッド・ビックネル，[2,3]ヴィクター・オロフ、(E) [1,2]ハロルド・ダヴィッドソン，[3]ロバート・グーチ。
−3年がかりで完成したローマ歌劇場の「三部作｣。最初の録音である[1]はモノーラルです。−ゴッビの今にはない声による演劇的表現、ロス アンヘレスのかわいい歌声が聞きものの。ゴッビは大袈裟な表現にもなりがちで、例えて言えば耳で聞く「劇画」という感じ。[1]のミケーレはもっとリアルな表現がいいという意見も出そうですが、ルイージの喉を絞めて殺すシーンはものすごい迫力です。一方 [3]のタイトルロールは、その悪賢い悪漢ぶりは他の追随を許さない表現と言っていいでしょう。−一方 ロス アンヘレスは今の美声ソプラノのような澄んだ透明感はないかわりに温かみ、母性があるのが特長。いまなお古びない個性を放っています。しかしこちらも[2]の最後、自殺の恍惚の中 罪を犯したことに気づき、突然大声を上げ、神に祈る部分の迫力たるや。感動的です。
−3人の指揮者ではやはり[2]のセラフィンが素晴らしい。この曲の抒情性をじっくりと聞かせる手腕は見事。オケは精緻ではないのに何と聞かせ上手であることか。そして最後、聞き手にさまざまな感情が入り混じるクライマックスの盛り上げも素晴らしい。−ほとんどメジャー・レーベルで起用されなかったペレッツァは単なる伴奏にとどまるのかと思いきや、劇的に盛り上げていますし、サンティーニは粗さもあるとはいえ、積極的な表現意欲が好ましいと言えそうです。
−特に魅力を発揮しているとはいいがたいですが、この録音くらいでしか名を見たことがない [1]のジョルジェッタ役のマスと ルイージ役のプランデッリについて調べてみました。マスはフランス出身のソプラノ (1924- )。南フランスの地方歌劇場でキャリアをスタートし、1949年 パリ・オペラ座デビュー。その後20年間 同劇場の重要なメンバーとして活躍したとのことです。1950年代に入るとイタリアでも活動し、特にナポリのサン カルロ劇場で活躍。1957年にはミラノ・スカラ座でプーランクの「カルメル会修道女の対話」の世界初演に参加したとのことです。−一方 プランデッリはイタリアのテノール (1914- 2010)。1942年 ベルガモでロドルフォ役で舞台デビューしたあと、翌年 ローマ歌劇場でアルフレード役でデビュー。1950年代には国際的なキャリアを展開しました。イタリアとフランスのリリックな役で人気を博したとのことです。