シューベルト：交響曲全集　ブリュッヘン＝18世紀o （PHILIPS・4CD）

曲目・演奏者

●シューベルト：
[1] 交響曲第1番ニ長調 D.82
[2]　同　第4番ハ短調 D.417「悲劇的」 §
[3]　同　第2番 変ロ長調 D.125
[4]　同　第3番ニ長調 D.200
[5]　同　第5番 変ロ長調 D.485　§
[6]　同　第7 (8) 番ロ短調 D.759 (未完成)
[7]　同　第6番ハ長調 D.589　§
[8]　同　第8 (9) 番ハ長調 D.944 (グレイト)

■フランス・ブリュッヘン指揮18世紀o　(古楽器使用)

ディスク・データ

CD// 海外盤 {DDD} PHILIPS (UNIVERSAL)＊475 7955 (4枚組)
　発売：06年／録音：1990, 92〜96年 全LIVE／収録時間：53+78+59+56分
△紙ケース・タイプ (クラムシェル型 / 厚さ1.4センチ)
△ディスク中心部の刻印＝MADE IN GERMANY BY EDC

コンディション

◇ディスク：1)A-〜B+/ 小スリキズ少しあり，2)B〜B-/ スリキズ部分的にあり(横方向., 強め含む＊動作確認済)，3)A〜B+/ スリキズ少しあり，4)A-/ 小スリキズわずかにあり / 外縁に小スリキズ少しあり(強め含む)
◇ブックレット：A-〜B+/シワ少しあり
◇紙ケース：B+/ 線キズ少しあり / 背側角部分に傷み少しあり / スレ線多し

録音データ・その他

☆[1,2]1993. 11，[3]1995. 5，[4]1994. 11，[5]1990. 6，[6,7]1993. 11，[8]1992. 3 以上ユトレヒト・フレーデンブルクにおけるライヴ録音。(P) [3,4]シーウウェルト・フェルスター, クリーヴ・ベネット，[5]ゲルト・ベルク，ハルトヴィク・パウルセン；その他記載なし。
−スリキズの多い [DISC-2] を再生確認のために聞きましたが、[3]第2番にすっかり魅了されました。主部のテンポ感の良さ、生気を帯びたにぎにぎしさ、テンションの高さ。ひしゃげた音のホルンの面白さ。あるいは木管楽器の合奏を聞かせる部分の美しさと意味深さ。細かくすばしっこい動きを聞かせる弦楽合奏は完璧に鍛えられており、なんとも見事なアンサンブル。ほれぼれしました。この曲の面白さは小回りが利くピリオド・オケでないと面白さが出ないのではないかと思ったほど。鍛えられた弦楽合奏は第2楽章: 変奏曲でも生かされており、デリケートな味わいで楽しませてくれます。あまり面白くないと思っていた楽章ですが、その民謡風のメロディがなんと麗しく聞こえてくることでしょう。短調の厳めしいメヌエットは速めでスマート。終楽章がまたスゴイ。これほどわくわくさせる演奏が他にあるでしょうか。速いテンポながら洗練されていて、細やかな表情を持っています。シューベルト18歳の時の作品ですが、シューベルトの音楽の長調と短調を組み合わせる手法の見事さには晩年の狂気や諦観を含む作群品の萌芽があるということも感じさせてくれました。続く[4]第3番も音楽の面白さを充分に味わわせてくれる生気溢れる演奏です。