ブリテン:ピアノ協奏曲,vn協 リヒテル(p) ルボツキー(vn) ブリテン=ECO (DECCA)
曲目・演奏者
●ブリテン:
[1] ピアノ協奏曲 Op.13
[2] ヴァイオリン協奏曲 Op.15
■[1]スヴャトスラフ・リヒテル(p) [2]マーク・ルボツキー(vn) [1,2]ベンジャミン・ブリテン指揮 イギリス室内o
ディスク・データ
CD// 海外盤 {ADD} LONDON*417 308-2
発売:89年/録音:1970年/収録時間:66分
△ブリティッシュ ミュージック コレクション・シリーズ △ブックレットは見開き1枚のリーフレット
△ディスク中心部の刻印=MADE IN THE UK BY DISCTRONICS
コンディション
◇ディスク:A-/ 小キズ少しあり
◇リーフレット:A-〜B+/ 小口側端付近にツメ咬み痕あり
◇プラケース:B+
録音データ・その他
☆1970. 7, 12 イギリス・スネイプ・モールティングスにおける録音。(P) レイ・ミンシャル、(E) ケネス・ウィルキンソン。
−この2曲は隠れた名曲!と、10年ほど前だったか、当録音 (の初期CD) を出品した際に書きましたが、[2]はその後 若手ヴァイオリニストが録音し、認知度が上がってきたと言えるでしょう。特にヴァイオリン協奏曲は、好きなヴァイオリン協奏曲が少ない私にとってベスト3に入るほど好きな曲となりました。3楽章からなり、第1楽章: モデラート コン モートはティンパニ、その他楽器による5音の音型が印象的。それがオスティナートとして奏される中、ヴァイオリンが陰鬱な第1主題 (カンティレーナ) を奏します。第2主題は動きのあるメロディ、それをもとに盛り上がります。再現部はヴァイオリンが冒頭の5音を奏で、管弦楽が第1主題を奏されます。第2楽章: ヴィヴァーチェはスケルツォ的。トリッキーなリズムで音楽は跳ね、奇怪な舞曲のよう。ヴァイオリンは極めて技巧的です。中間部は嘆きの歌ですが、その管弦楽による彩りが大変独創的で、印象的。2ピッコロとテューバの二重奏のエピソードも鳥肌が立つほどのインパクト。不吉な鳥が飛んでいくのをイメージします。ヴァイオリンの独創的なカデンツァの中、切れ目なしで第3楽章: アンダンテ レントに。トロンボーンによる荘重なパッサカリア主題。その単純な上昇→下降旋律がさまざまな楽器で奏され、9つの変奏。不気味に盛り上がりますが、最後の2つの変奏では透明な全音階的和音。ヴァイオリンは細かく音を震わせながらも落ち着いた明るさが。祈りのような、慰めのような様相を呈し、消えいくように終わります。−総じて重厚、陰鬱な気分に支配されていますが、作曲は1939年、第ニ大戦が始まった年。内容に大きな影響を与えていることでしょう。その内容の濃さ、天才的な仕掛け。最後の祈りの音楽も感動的で、これが名曲でなくして何でありましょう。
−一方 前年 1938年に書かれたピアノ協奏曲も大変 魅力的。トッカータ、ワルツ、即興曲、行進曲の4つの楽章からなり、どちらかというと機智を感じる内容ですが、決して軽い曲ではありません。結構 規模は大きく、不気味さが支配しています。第2楽章: ワルツも華やかさとは正反対、静かで不穏。第3楽章: 即興曲も重厚なパッサカリア。そして終楽章: 行進曲。これも華やかなフィナーレではなく、グロテスクな不気味さを持つもの。大戦を前にした不穏な国際情勢の予感でしょうか。
−演奏も見事。ブリテンの指揮のうまさ。オケは上質とまでいかなのがむしろいい。ブリテンが生々しい迫力を引き出しており、指揮者として一流であったことをここでも証明しています。また ルボルキーの明快で力強い熱演も感動的。リヒテルも現代のスマートさとはまったく違っており、ブリテンとともに格闘するようです。推薦の中の推薦盤です。
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